一般社団法人 流山青年会議所
2025年度理事長
澁谷 一人



至誠一貫

【はじめに】
現代社会は、急速に変化する世界情勢や頻発する自然災害など、さまざまな課題に直面しています。特に日本では、地震や台風などの災害が多いため、地域全体で防災意識を高め、協力体制を強化することがますます重要です。また、グローバル化やデジタル化の進展により、地域社会も多様化しており、異なる価値観や背景を持つ人々が共に生活している今、共存と協力態勢がこれまで以上に求められています。こうした状況の中、青年会議所は地域の若きリーダーを育成し、地域社会の発展に貢献するという重要な役割があります。私たちは、これまで以上に地域課題の解決に向けた活動を行い地域との繋がりを深め積極的な社会貢献をし、流山青年会議所のブランド力の強化、地域社会での認知度を高めることが不可欠です。そして、青年会議所は会員にとって、リーダーシップの開発と成長の機会を与える場でもあります。今まで以上に個々の力を発揮することで、流山青年会議所が地域にとって価値ある存在と認識され、新たな会員の加入や地域住民から協力を得られると確信しています。
私が流山青年会議所に入会してからの7年間、多くの貴重な経験を積むことができました。入会当初は、個人の力で物事を成し遂げようとする考えが強く、チームの力を信頼することが少なかったように感じます。しかし、青年会議所での活動を通じて、仲間との協力で生まれる大きなエネルギーを実感し、組織の力の重要性に気づきました。この学びは、人とのつながりや協力の価値を深く理解するきっかけとなり、挑戦することの大切さを教えてくれました。かつては失敗を恐れて挑戦を避けていましたが、今では挑戦こそが成長と変革の原動力であることを実感しています。青年会議所の使命は、地域社会の課題解決にとどまらず、次世代のリーダーを育成し、地域の未来を築くことにあります。私たちの活動は、地域に根ざし、共に成長し発展することを目指しています。この使命を果たすために、「至誠一貫」というスローガンを掲げました。「至誠一貫」とは、どのような状況でも誠実さを持ち、一貫した行動を続けることが、個人の成長と組織の成功をもたらすという信念です。地域社会に確かな影響を与えるためには、常に挑戦し続け、困難に屈せず、誠実さと一貫性をもって行動し続けることが必要です。この姿勢が、より良い変革をもたらし、地域に貢献できる団体としての成長につながると信じています。

【会員拡大】
会員拡大は、流山青年会議所の未来を切り開くために最も重要な取り組みの一つです。私たちの組織が持続的に成長し、地域社会に対してさらに大きな影響を与え続けるためには、新しい仲間を迎え入れ、その力を結集させることが不可欠です。40歳で卒業する制度がある私たちの組織において、会員の拡大はその存続と発展に直結しています。
昨年、私たちは多くの新規会員を迎えることができましたが、これに満足することなく、さらなる成長を目指して前進していかなければなりません。新たな会員を迎えることは、単なる人数の増加を意味するのではなく、私たちの理念に共感し、共に地域社会の未来を築いていくパートナーを迎えることを意味します。この新しい仲間がもたらす多様な視点や新しいエネルギーが、流山青年会議所の活動に新たな息吹をもたらし、組織全体の活力を一層高めていきます。本年度は20名以上の新規会員の加入を目標に掲げ、さらなる会員拡大に取り組んでいきます。
例会では、流山青年会議所の根幹となる理念を広く共有し、オブザーバーがその意義を深く感じ取ることを目指し、価値観に共鳴し、新たな一歩を踏み出すきっかけを提供します。
また、会員拡大委員会は、会員外の方との接点が多いため、広報理事を所属させることで、広報と会員拡大の連携を強化し、流山青年会議所のブランディング向上を図ります。これにより、地域社会における流山青年会議所の認知度を高め、地域の方々から「ファン」として応援してもらえる関係性を築いていきます。ファン層を拡大することで、流山青年会議所が地域にとって身近で信頼できる存在であることを伝え、地域住民との強固な絆を形成します。この過程で、流山青年会議所の活動に共感し、興味を持つ人々が自然と増えていくことで、新たな会員拡大にもつながります。新たな会員を迎えることで、私たちの組織は一層の多様性と活力を持ち、社会に対する影響力を強化できます。全会員がこの目標に向けて一体となり、地域社会の未来を共に築いていくことを目指していきます。

【まちづくり】
近年、自然災害が毎年のように発生しており、2024年1月1日には流山市の姉妹都市である能登町で最大震度7の地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。また、南海トラフ地震は日本の太平洋沿岸地域に大規模な被害をもたらすと予測されており、30年以内に70~80%の確率で発生するとされています。南海トラフ地震が発生した場合、流山市では震度6強程度の揺れが予測され、建物の倒壊や、おおたかの森周辺など新興開発地域や地盤の緩い地域では、液状化による建物の傾斜や道路の陥没が懸念されています。このように、自然災害がいつ起きてもおかしくない状況において、事前の備えがますます重要です。災害時に地域住民や組織が効率よく連携し、迅速に対応できる体制を整えるため、自治体及び住民団体や企業などと防災協定を確立することが必要であり、私たちは流山市の災害リスクを把握し、有事の際にはリーダーシップを発揮できるよう準備を進めなければなりません。地域を先導することで、災害時にも強い結束力と迅速な対応が可能となります。私たちは地域の未来を守るため、住民一人ひとりが災害に対する意識を高めるための事業を展開してまいります。

【継続】
2019年、公益社団法人日本青年会議所第68代会頭である鎌田長明氏は、「人が集まる継続事業は、偉大な発信装置であり、常に地域と青年会議所の双方にとって必要かどうかを意識しながら、より効率的に進化させることが重要である」と説いています。ナイトウォークは、その発信装置として昨年で第10回を迎えました。今年はさらなる進化を目指し、地域の企業や団体の皆様と共にナイトウォークの在り方を考え、流山市の活性化に貢献する地域ツールとなるよう連携しながら事業を展開していきます。また、昨年2024年から始まったわんぱく相撲大会も、新たな可能性を切り拓く重要な事業です。この取り組みは、地域の子どもたちに自分の力を試し、成長する場を提供するだけでなく、地域全体の絆を強化する役割を果たしています。今後もこの事業が地域にとって不可欠な存在となり、さらに発展することを目指して取り組んでまいります。
継続事業をより効率的に、地域を動かす活動へと成長させるためには、参加者にとって魅力的で心に残る体験を提供し、事業に愛着を持ってもらうことが不可欠です。そのためには、事業を行うだけでなく、地域の「ファン」を増やしていくことが大切です。地域住民が私たちの活動に共感し、積極的に関わりたいと感じてもらえることが、持続的なまちづくりの基本となります。ファンを増やすことは、地域の活動基盤を強化するだけでなく、地域全体の活性化にもつながります。私たちの活動が地域の課題解決に役立ち、住民の生活に直接寄与していることを感じてもらえるように、地域とのつながりを深め、情報発信をより効果的に行っていくことが重要であり、地域全体の価値を高めることにつながります。

【青少年】
現代社会は、国際化や技術の進展に伴い、様々な文化や価値観が共存する時代へと移行しています。この中で、異なる背景や考え方に触れ、相互理解と協力する力がこれまで以上に求められています。しかし、多様性を自然に理解し、受け入れる機会は限られており、固定概念にとらわれやすく、異なる意見や視点への共感や協力が難しいという課題が存在しています。こうした現状を改善するためには、次世代に多様性を理解させる取り組みが必要であると強く感じています。
まず、私たち流山青年会議所が多様性について学ぶ機会を持つことが重要であり、率先して異なる価値観や背景を理解し、受け入れる力を養うことがリーダーとしての役割を果たすために不可欠です。私たち自身が学び成長することで、次世代に対して確かな指導と支援が可能となり、地域社会に新たな視点を提供するリーダーとしての責任を果たすことができると考えています。また、挑戦には困難が伴いますが、それを乗り越えることで自信を深め、柔軟な思考を育むことが可能です。多様性を理解することにとどまらず、新たな挑戦に向き合い、異なる価値観を持つ人々との協力を通じて固定概念を打破し、新しい視野を持つことができる事業を展開していきます。これにより、地域社会に貢献し、より多様でインクルーシブな社会の実現に向けて取り組んでいきます。

【経営】
現代の経営環境は、急速な技術革新と市場の変化によって、かつてないほど複雑で不確実になっています。デジタル技術の進展に伴い、大量のデータが生成され、それをどう活用するかが競争力の鍵となっています。さらに、迅速な意思決定と行動が求められる今日のビジネス環境では、リーダーシップに新たなスキルセットが必要とされています。特にAIツールやデータ分析の活用は、経営の効率性と柔軟性を向上させる上で欠かせない要素であり、リスク管理の基盤にもなります。加えて、流山市もデジタル化を積極的に推進しており、行政サービスの効率化や市民生活の向上を図るための取り組みが進められています。具体的には、AIやIoT技術を活用した地域活性化や災害対策、公共交通のデジタル化などを推進しています。これにより、住民の利便性向上や行政の迅速な意思決定が可能となり、地域全体のデジタル基盤が強化されています。このような背景を踏まえ、現代の経営に必要なスキルとして、AIツールやデータ分析ツールの活用方法を学ぶことが重要です。
ChatGPTのようなAIツールは、日々の業務の効率化や迅速な情報収集を支援し、経営判断の質を向上させる強力な武器となります。これらのツールを効果的に使いこなし、組織全体でデジタル技術の恩恵を享受するための学びを深めていきます。また、経営における決断力と行動力の重要性も重視しています。急激な市場変化に対応するためには、正確かつ迅速な意思決定が不可欠です。私たちはこれらのスキルを習得し、経営のスピード感を高めることで、組織全体の競争力を強化していきます。さらに、リスク管理のスキルを磨き、AIツールやデータ分析による情報を活用してリスクを予測し、適切なタイミングで対策を講じる体制を構築します。決断力と行動力を駆使しながら、リスクを最小限に抑える経営を目指します。

【組織管理】
会員交流委員会と事務局を統合し、会員同士の交流促進と組織運営の強化に取り組みます。現在、半数が新入会員であるため、会員がスムーズに組織に馴染み、会員全員とつながれる機会を提供することが重要です。また、組織の在り方や青年会議所の役割を全会員が理解することで、より一体感のある活動ができるようサポートしていきます。
会員交流の面では、委員会の垣根を超えた例会を開催し、組織全体が活性化するような取り組みを進めていきます。これにより、会員同士の相互理解が深まり、個々の活動意欲が高まることを目指しています。また、活動が停滞している非アクティブ会員の状況を把握し、必要なフォローアップを行うことで、すべての会員が組織の一員として力を発揮できる環境を整えます。
事務局では、青年会議所の基本的な仕組みや出向に関する知識を提供する機会を設け、全会員が組織の運営や活動内容を理解できるようサポートします。これにより、各会員が自らの役割を認識し、積極的に貢献できる体制を整えていきます。
さらに、財務管理の徹底も欠かせません。財務管理が疎かになると、組織の信頼が揺らぎ、その影響は会員全体に及びます。私たちは、財務管理体制を引き続き保ちつつ、財務内容を理解し、次の世代へ円滑に引き継いでいくシステム作りを強化していく必要があります。これにより、組織の安定と信頼性が維持され、持続的な発展が可能となります。全会員が青年会議所の一員として誇りを持ち、共に成長し続けられる組織を目指します。

【むすびに】
私自身、挑戦したからこそ見えた景色、見える景色が変わり、その中で得られた学びが私を大きく成長させてくれました。この経験や想いをメンバーに伝えていくことが私の最大の使命であり、流山青年会議所を次のステージへ力強く前進させるものだと確信しています。さらに先輩諸兄姉から受け継いだ歴史を胸に流山青年会議所の理事長として、地域社会に貢献し続け、自己を磨き、さらなる挑戦に取り組む決意です。
そして「至誠一貫」の精神を胸に、常に謙虚な姿勢で取り組んでまいります。私たち全員が力を合わせることで、組織の成長を加速させ地域にとってより大きな価値を提供できる存在、地域の未来を切り拓いていく存在になることを信じています。知名度が今以上に高まり、地域にとって必要とされる団体であり会員一人ひとりの可能性を広げ、流山青年会議所としての使命を果たすためさらなる高みを目指して邁進していきます。

【事業計画】
1.20名以上の会員拡大
2.会員相互の交流
3.OBと会員との交流
4.青少年事業の開催
5.まちづくり事業の開催
6.継続事業の開催
7.わんぱく相撲大会の開催
8.経営研修の開催
9.積極的な広報活動
10.業務連携と明確な情報共有