一般社団法人 流山青年会議所
2024年度理事長
諏訪 秀一



あなたは自分の人生を生きていますか?
自分が主役となる舞台を、テーマソングを、衣装を、選んでいますか?

あなたの人生は、まさにあなたにしかデザインできない舞台。
そこであなたはたくさんの決断をしないといけません。
脚本、演出、そして人生を盛り上げてくれる仲間たち。
所属する組織やコミュニティも選択し、ときに創造していかないといけません。

ただし、人生は通常の舞台とは違い、現在進行形で脚本や演出をしながら物語が進んでいく。
その道中に自分自身がたくさんの経験をして、心の構え方、頭の使い方を学ぶと、どんどん舞台は大きくなり、密度が濃くなっていく。v それは、自分でも思っていないほど大きなものに。

ときには物語が先に進んでしまったり、思いもよらない展開を迎えたりして、喜劇にも悲劇にもなり得ます。
でも、それはすべてあなたの日々の選択の積み重ねによるもの。
前方にも、後方にも、すべてがあなたの手で動かしていける世界です。

青年会議所も同じです。
構成する全員が主役となり、全員が主体的に取り組んだ瞬間、組織のビジョンとミッションを達成できる。

これまでの活動の中で、JCの力を過小評価していませんか?
ここには無限の可能性がある、と声を大にして叫びたい。

JCはまちを変えることができる。
JCは青年の意識を変えることができる。
JCは流山を変えることができる。
そして、自分自身を変えることができる。

私たちは若い。
熱意も可能性もある。
でも、こんなもんじゃない。
まだまだこれから。
JCも私たちも、まだ始まってもいない。

ここでブレーキをかけるか、アクセルを踏み込むか。
それはまさに私たち自身の人生という舞台における決断です。
忖度なし、遠慮なし、変革という目標のもと、思いっきり、突き進んでいく。
それが流山青年会議所の次なるチャレンジになると信じています。

主役になるなら、流山市。 ~全員成長・全員主役~

「主役になるなら、流山市。」という言葉には、たくさんの意味が込められています。人生の主役は自分であり、その舞台が流山市です。流山に住まうすべての人々が全員主役となり、主体的に活動していくとの姿勢を表しています。私たちJCは、与えられた役割や責任だけでなく、自ら積極的に行動し、提案し、変革を起こす力を持っています。それは、新しいアイデアや目標を追求し、過去の成功に満足せずに進化し続けることを意味します。私たちの組織に集う仲間たちはそれぞれ異なるバックグラウンド、経験、能力を持つとともに、一人ひとりが自らの力を発揮し、組織全体をより強固なものにしていくとの共通の意志を抱いています。そして、私たちは共通の目標と価値観に向かって進むことで結ばれていきます。「主役になるなら、流山市。」のスローガンは個々の個性を尊重し、相互に支え合いながら共に成長する姿勢をつくりあげていく思いそのものです。
私たちは誰もが主役として、自分の役割を全うし、他のメンバーや地域社会と協力連携を通じて切磋琢磨しながら前進していきます。また、単に内部の活動だけでなく、流山市の行政・企業・市民と共に、流山の地域課題やニーズに真摯に向き合い、解決策を共に考える役割を担っています。流山のためになにができるかを常に考え、行動に移すことで、より良い未来を築けると信じています。さらに、私たちのLOMが千葉ブロック、関東地区、そして日本、果ては世界、たくさんの舞台で主役となることを目指していきます。これまで多くの先輩方によって創設から41年間培った流山青年会議所の経験や知識を活かして、未来に向けた計画と行動を進めていくのが私たちの存在意義です。困難なときにこそ、一人ひとりの力と連帯が真価を発揮します。だからこそ「主役になるなら、流山市。」のスローガンのもと、個々の才能を結集し、互いを高め合い、より強い組織と地域社会を築いていくことで、個人の成長と組織の進化を両立させる使命を果たす決意を固めています。皆さんと共に歩み、この一年間を有意義なものにしていくために、愛と勇気と希望を胸に進んでいきます。

【現役の活力と将来の希望を、ここから】
まちの未来、それは現役世代が持つ活力と将来世代が抱く希望にかかっています。「母になるなら、流山市。」「父になるなら、流山市。」のキャッチコピーを旗印に、流山市はつくばエクスプレス開業時に約15万人だった人口が、2021年に20万人を超え、2023年には21万人に増えました。この増加の多くは30代の子育て世代と子どもが中心で、2010年度に合計特殊出生率が全国平均を上回り、2022年度には千葉県で第1位となりました。人口増加はまちとしては大変喜ばしいことです。しかし、価値観の多様化、個人主義の台頭、共働き世帯の増加等により、地域コミュニティへの参加意識が減退しており、自治会加入率が上がっていないとの調査結果もあります。それだけでなく、地域間格差も広がり、流山市のなかでも人口が減少している地域はあります。そんな中で私たちが取り組んでいかなければならないことは、流山市の強みでもある子育て世帯を中心とした地域のコミュニティの醸成、そして市全体が一体となり、より魅力あるまちへ継続性のある事業の構築です。
青少年育成事業とは、若者たちと共に歩み、成長を見守り、支えていく役割を果たす事業のことです。その過程で、私たち自身も彼らから学び、新たな視点やアイデアを得られます。さらに、青少年育成の先の話ではありますが、この事業を終えた後、育成された人材が培ったつながりと能力を用いて行動を起こし、周囲の人に影響を与えることで地域社会の発展に貢献していけると信じています。行政と企業と民間を結集することができるJCならではの事業を構築していきます。

【郷土愛の、その先へ】
住んでいることに誇りを感じるだけでなく、もっと良くしたいと一人ひとりが思う、それが良いまちだと考えています。「郷土愛」と似ていますが、地域に対する愛を示すだけではなく、まちをより良くしていこうとの気持ちのもと新たなアクションが生まれていく、そのようなまちづくりを目指します。
流山市は、人口が増加傾向にある国内でも非常に珍しい状況にあります。喜ばしい反面、流山市のことをあまり知らない方も多く、地域への愛着や繋がりが薄くなっていると言い換えることもできます。単に立地が良いから、設備が整っているから流山に住んでいる方も多い現状から一歩進み、流山市をもっと知り、好きになってもらえる、行政、市民そして企業が誇りに感じ、関わった人が主役となり成長できるような事業にチャレンジいたします。
これに加え、今年度で10回目の開催を迎えた継続事業を本年度も開催します。昨年は800名を超える応募のもと多くの市民の皆さまにご参加いただきました。本年度も流山の市民の輪が広く固く結ばれることを目的とし、多くの方の期待に応え、喜んでいただける事業を開催します。

【地域の、日本のビジョンの、発信地に】
「新日本の再建は我々青年の仕事である」。この文章は1949年に日本で最初に設立された東京青年会議所の設立趣意書に書かれた一文です。そして「あらためて述べる迄もなく今日の日本の実情は極めて苦難に満ちている。この苦難を打開してゆくため採るべき途は国内経済の充実であり、国際経済との密接なる提携である」と続きます。設立意見書にある通り、経済の充実と国際経済の提携の観点でも、まず自分自身の社業を守り、成長させていくことが大前提となると考えています。私たちは、地域のニーズや市民の期待に応えるために、適切なビジョン設計と持続可能な事業活動を行う必要があります。自分自身の成長が社業に活き、そしてそれが流山市に良い影響を及ぼし、さらには千葉、全国と伝播することで日本経済を良くしていくことができます。まずはその原動力たる個々の成長のために、マネーリテラシーや経営スキルなど組織の進化と個の成長につながる学びのある例会の開催によって組織自体の地盤を強化します。JCメンバーだけでなく、従業員、市民の皆さまや近隣の企業の皆さまが参加したいと思う魅力的な例会を展開していきます。

【共感の輪を、さらに大きく】
私たちは流山市を誇れるまちとするため、地域課題の解決に向けて活動してきました。その組織経営のもと、優れた地域のリーダーを多数輩出し、私たち自身の成長を促してまいりました。年齢制限のあるJCが今後も活動を継続し、新たなリーダーを輩出していくためには、流山青年会議所の理念に共感してくれる方を一人でも多く迎え入れ、その輪を拡大させていく必要があります。
共感の輪を広げるためには、内部の私たち自身が深く理念に共感していることが最初のステップです。年次が浅いメンバーが多くなってきている今だからこそ、改めてJCの理念や入会して得られる効果、そして社会活動が自社の経済活動になぜ活きていくのかを体感できる機会が必要です。そのような機会における組織理念の浸透を通じた後、次のステップとして共感を対外へと拡大します。
今まで培ったネットワークを最大限に活用するとともに、多業種との交流会開催、同じ趣味を持った同好会での交流を通して多くの出会いの機会を創出し、私たちの存在の周知を通じて拡大を目指します。そのために、今年度は委員会とは別に拡大専用の組織を新設します。もちろん、拡大は拡大委員会のみが行うのではなく、会が一丸となり一人ひとりが意識して推進していくことが大切です。今年度は流山青年会議所として新たに20人の会員を迎えることを目指します。

【いまだけじゃない、これからのJCのために】
いまを良くする、それだけがJCの役目ではありません。私たちには、活動を通して得た人財や経験を次代へ継承していくことが求められます。変化する社会の中でも規律を備え、社会問題の解決に向けて運動を展開し、積極的な参画を可能とする組織の構築と充実した情報共有を行っていきます。そして、多様な意見と世代を超えて培った経験と精神を共有し、質の高い運動を円滑に導き出す会議のもと、活動を次代へつなげていきます。
本年度は「事務局・財務・広報」の3つの役割で運営していきます。現在の流山青年会議所は入会3年未満のメンバーが6割を占め、経験豊富なメンバーが少なくなっています。だからこそ今年度はしっかりと基本に立ち返り、効果的な運動を生み出す理事会の運営を行い、期限厳守の会議情報の管理のもと事前意見を取り入れ、限られた時間の中でも効果的に機能する意見交換の場とします。そして、理事会での協議内容や理事会構成員の見識について会員の理解を深めるために、アジェンダシステムの利用の周知と活用の促進を通して、会員に対して理事会に関する情報共有を進めます。さらに、会員一人ひとりの意思を組織運営に反映させるために、総会における議案と議決権の行使に関する情報の提供を徹底することで、会員の積極的な参画と理解に基づく意思決定へとつなげます。また本年はホームページに広告バナーと相互リンクを設置するとともに、SNSを活用した広報活動にも力を入れていきたいと考えています。そのうえで広告バナーや各種例会、事業と連動した新たな賛助会員制度を構築し、賛助会員制度のあり方を検討していきます。事務局一丸となり、本年度は30人の賛助会員獲得を達成します。

【点をつなげる、そして、点を打ち続けていく】
「Connecting the Dots」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。日本語にすると、点と点を結びつけるとの意味で、異なるできごとや情報を結びつけ、関連づけることを指すフレーズです。この言葉はAppleの創業者のスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業生への祝辞で用いたものです。要約すると、知識や経験で点を打つことはできず、後から意図してそれをつなぎ合わせることもできない、だから私たちは現在に点を打ち続けることしかできない、そのときは一見無関係だと思っていた点が、いつの日か現在の点とつなぎ合わさることで実を結び、道ができるとの考え方です。具体的な行動や決断をする際に、過去の経験や情報を踏まえて全体像を理解し、思いもよらないアイデアや道が示され総合的な判断を行えるとするこの考え方はJCの運営にも大いに役立つものだと考えています。
彼の言葉のとおり、JC活動は社業とは遠く、一見無関係の点を打つようなことが多くあります。私は、それを無関係と考えず、むしろ、この点はいつかどこかで道を生み出すものだと信じて、より多くの点を打つためにJC活動を邁進してきました。この活動が自らの成長の糧となるとともに、世のため人のためへと社業を拡大するとの決意を生み出し、私が流山青年会議所に入ったときには従業員2人だった会社が、8年間で業務委託を含め従業員300人以上の会社に発展しました。華やかに聞こえるかもしれません。しかしながら、未来を見据えて打つことはできなくとも、その結果は偶然の産物ではないと考えています。
ここからはジョブズ氏の考えではなく、完全に私の持論です。残念ながら、点は自然とつながっていくものではありません。その原動力は未来を想像する思考ではなく、創造していく意志にこそ宿ります。囲碁と同じように意志を持ってたしかな布石を打ち、局面が進むことによって、一見誰にも理解できなかった一つの石が、そこにあるのとないのでは雲泥の差となるほどに輝きを放つ。それが私の理想とする点の打ち方です。
点はつながっていくのではなく、つなげていく。その根底にあり、私が一番大切にしているのが、「恩送り」の考え方です。「恩返し」という言葉は耳にしたことがあると思いますが、その発展型のようなものだと考えてください。恩は一般的にいただいた人に対して、なにかしらの貢献をして返していくものと理解されています。もちろんこれ自体は的を射ているのですが、その先に恩というバトンを自分より若い世代に、地域に送っていくという考え方にこそ、まちを、日本を良くしていくヒントがあると信じています。
意志をもって、点を打ち続ける先にある未来、それこそが私が、そしてJCが実現しなくてはならない未来なのです。どこのJCでも良いわけではない。誰が理事長でも良いわけではない。私こそがこのまちを変えていくのだとの決意のもと、これまでに歩んできたJC経験、社業の組織運営の経験を皆さまに還元できるよう、そして自分自身にもさらに大きな点が打てるよう、一年間全力で取り組んでいきます。

【事業計画】
1.20名以上の会員拡大
2.会員相互の交流
3.OBと会員との交流
4.青少年事業の開催
5.まちづくり事業の開催
6.継続事業の開催
7.経営研修の開催
8.積極的な広報活動
9.業務連携と明確な情報共有